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株式会社ケーナインラボと共同で行ってきた、「バベシア発症例調査」の結果をご報告いたします。

2011年に、全国の一般臨床小動物病院を対象に、バイエル薬品株式会社と、株式会社ケーナインラボが行って参りました「バベシア発症例調査」の結果を、都道府県ごとに記しました。予防対策の参考としてご一読ください。

バベシア発症例調査イメージマップ
1.青森県八戸市の症例 【症例情報:2012年1月現在】雑種、約3ヶ月齢、メス(未避妊)
  1. 10月に飼い主が和歌山県へ仕事で出張中に、捨てられていた仔犬を保護して自宅のある青森県へ連れ帰った。その際、犬の頚部に複数のマダニ咬傷と思われる病変を認めた。

  2. 11月5日に6種ワクチン接種のため来院した時は特に異常所見は見られなかった。

  3. 11月12日に元気、食欲が低下したとのことで来院。口腔粘膜蒼白、重度の貧血、血小板減少、黄疸を認めた。(白血球5600/μL、赤血球136×104/μL、ヘモグロビン2,7g/dL、PCV9,5%、血小板2000/μL、T-Bilo.8mg/dL) 顕微鏡検査でバベシア虫体を確認。

  4. 初日からクリンダマイシン、ドキシサイクリン、メトロニダゾールの3剤併用療法を行なう。また初日のみプレドニゾロンを2mg/kg皮下注射し、入院。

  5. 翌日より徐々に食欲が回復し、第4病日に退院した。(PCVは第2病日に10.5%、第4病日に17%、第7病日に23%、第15病日に39%と徐々に回復。)(犬バベシア・ギブソ二抗体検査は64倍未満で低抗体価だったが、PCR検査は陽性だった。)

  6. 3剤併用療法を1ヶ月間継続し、血液検査でパベシア虫体の消失を確認したため、投薬を中止した。さらに1ヶ月後の血液検査で異常を認めなかったため、狂犬病予防注射を行なったところ、7日後にバベシア症の再発が認められた。現在は再度、3剤併用療法とプレドニゾロンの投薬を行ない、経過を観察中。

2.東京都立川市の症例 【症例情報:5月20日現在】パピヨン・2才6ヶ月齢・オス去勢済み
  1. 4月上旬に犬を連れて大阪~四国へ周遊旅行に出かけた。(ノミ・マダニ駆除薬は投薬していなかった)

  2. 約2週間後、元気・食欲低下で来院。貧血以外に特記所見は見られず、対症療法を継続。(来院時はマダニの咬着も見られなかった)

  3. 来院2日後以降、貧血・横断が進行。

  4. 来院約10日後に顕微鏡検査で原虫らしきものが発見され、PCR検査で確定診断された。クリンダマイシンを主とする3剤併用療法を開始し、アトバコン投与へ移行。症状軽誠が見られ、現在加療中。

3.香川県高松市の症例 【症例情報:6月8日現在】ヨークシャーテリア・5才齢・オス未去勢
  1. 5月上旬に香川県内の山の中の公園に愛犬とともに遊びに行った。その時はマダニの寄生に特こ気づかなかった。また、ノミ・マダニ駆除薬も投与していなかった。

  2. 5月11日に食欲低下、嘔吐などの症状を呈して来院。初診時検査で脾腫、血小板減少、(PCV45,8%、白血球4000/μL、血小板6000/μL)が見られた。マダニ寄生や貧血所見は無く、顕微鏡検査によるバベシア原虫の虫体も確認できなかった。

  3. 来院2日目には血液検査所見がさらに悪化し(PCV44%、白血球6500/μL、血小板1000/μL)、バベシア症が強く疑われたため、アトバコンを30mg/kg SIDで1週間間投与。合わせて、クリンダマイシンとメトロニダゾールの3剤併用療法を行なう。この時点でPCR検査に出し、後日「陽性」の判定が出た。

  4. 来院4日後より食欲が回復し、6日後には血小坂90×103/μLに回復。12日後では198×103/μLにまで回復した。

  5. アトバコン投与は1週間で終了し、クリンダマイシンとメトロニダゾールの投与は1ヶ月間継続予定。規在、引き続き経過を観察中。