犬の節足動物媒介性疾患 犬糸状虫症(Heartworm Disease)

犬糸状虫症は、様々な種の蚊によって媒介される重篤な節足動物媒介性疾患です。

病原体

犬糸状虫( Dirofilaria immitis

ベクター

様々な種の蚊

発生分布

  • 一般的にヨーロッパ南部、アメリカ、カナダ、オーストラリア、東南アジアおよび日本を含む東アジアに見られます。
  • ヨーロッパでは、ポルトガル、スペイン、南フランス、イタリア、ギリシア、および他の地中海沿岸地域で流行しています。

臨床兆候と診断

  • フィラリア幼虫は、蚊によって皮下に伝播され、 そこから、ゆっくりと体内を通って肺動脈に到達し、 感染後およそ150日で成虫(最大30センチメートル)に成長します。
  • 臨床徴候が見られるまでは、通常数ヶ月から数年かかり、運動不耐性、発咳、体重減少などを示し、死に至ることもあります。
  • 診断は、超音波検査で肺動脈内の虫体検出や、レントゲン検査における特徴的な心臓と肺の変化、血清学的検査、集中法による血中のミクロフィラリア検査、抗原抗体検査などにより行われます。

治療

犬におけるフィラリア成虫感染の内科的治療は、複雑であり、危険な場合があります。通常、イミトサイドが 選択されますが、成虫が死滅した際に、肺動脈に流され、血栓塞栓症を引き起こすことがあります。重症例では、ケージレストの状態でステロイド剤の投与と酸素吸入が推奨されます。

予防

一般的にマクロライド系薬剤が、移行幼虫の殺滅による犬糸状虫感染予防に用いられています。

ヒトに対する影響

  • 犬糸状虫はヒトにも感染しますが、非常に稀であり、濃厚感染地域で見られることがあります。
  • 一般的な病原性・診断・治療・予防に関して、American Heartworm Society がガイドラインを作成しています。